
仙台で芹沢銈介を鑑賞
仙台で時間が取れたので、東北福祉大学にやってきました。仙台駅からバスに乗り、30分くらいの少し郊外にあります。
大学に一体何の用?と思われるかもしれませんが、この構内になんと「芹沢銈介美術工芸館」があるのです。入り口左右に見える、「いろはにほへと」の文字も芹沢銈介によるものですね。
芹沢銈介といえば、日本を代表する染色家・工芸家であり、1956年に人間国宝(重要無形文化財保持者)として認定されています。また、様々な商品のパッケージや本の装丁なども多く手掛けており、現代のグラフィックデザイナーに通じる図案やデザインの仕事を多岐に渡って行っています。
仙台と芹沢銈介の関係は、妹さんが仙台で料亭を営んでいたらしく、また東北の手仕事の道具なども大変好きだったようで、ちょくちょく足を運んでいたらしいです。東北にも民藝館のよう場所を作りたいと兼ねてから思っていたようで、芹沢銈介の死後、長男で考古学者である芹沢長介がこの大学に芹沢作品や芹沢が収集していた民俗資料などを約1000点寄贈したことで、美術工芸館が開館したそう。長介は初代館長を務めました。
美術館内は撮影禁止でしたが、建物を入った1階のホールに一部の作品が展示されていたので、ちらりとご紹介します。
「文紙」と書いてあります。とても美しくて、目が釘付けになります。芹沢さんは紙のデザインも数多く手がけております。
こちらはお店のマッチ箱のデザイン。昔は喫茶店などにマッチ箱がありましたよね。色、柄とも素敵なデザインばかりで、飾っておきたくなるような可愛さです。
お茶の缶のデザイン。芹沢さんは静岡出身だから、お茶の仕事も多かったんでしょうか。
お酒のラベルもありました。これまた素敵なラベルです。今出しても十分売れるデザインですね。海外の人にも喜ばれそうです。
こちらは銀座にある「たくみ工芸店」の包装紙。確か、今も使っているんじゃないでしょうか。捨てるには惜しいデザインの包装紙です。
こんなカレンダーもありました。学校のカレンダーが芹沢銈介って、羨まし過ぎます。
美術工芸館では、現在3000点ほどの芹沢作品や民俗資料を鑑賞することができます。ちゃんとミュージアムショップもあって、結構品数豊富であり、オリジナル商品もあるんですよー(残念ながらマステはなかったけど、これ作る価値有りなのでは)。民藝やグラフィック好きにはたまらない場所だと思います。紙や布の可能性にワクワクするような作品たちです。
現在は展示入れ替えで休館中ですが、2025年9月16日(火)~2026年1月30日(金)まで、学園創立150周年記念展覧会として「荘厳の世界 芹沢銈介」が開催されるようです。また実は仙台駅にもサテライト展示館「仙台駅東口キャンパス 東北福祉大学ギャラリーミニモリ」があり、こちらで「文字×芹沢銈介 湧き出づる創造」展が開催されるようです。これらの展示も期待できそうですね。詳細は、芹沢銈介美術工芸館のHPをご覧ください。