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COLUMN
コラム 2017年3月

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先週渋谷ヒカリエで行われた「MORE THAN PROJECT」の報告会、

および「JAPAN BRAND FESTIVAL」に行ってきました。

日本のものづくりを世界へ発信する試み、そしてその活動や人の繋がりを深め、

新たな可能性を生み出す、という目的で生まれたイベントです。

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世界へ発信する、様々な日本のプロダクトも展示されていましたが、

気になったのが、この美しい和紙の箱。

コロンとしていますが、蓋の付いた箱なんです。

日本でも最も歴史の古い、福井県の越前和紙です。

繭のような、ふわりと暖かく、優しい形。

何か芯のようなものを中に入れているのかと思ったら、

全て和紙のみ、なんだそうです。

一枚一枚手漉きした和紙を、手で包むように木型に貼り付けて作った箱です。

手作りなので、大きさやシワの付き方、表情などが少しずつ違います。

和紙の持つ、有機的な柔らかさ穏やかさに、なんとも心が和みます。

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やなせ和紙

http://washicco.jp

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こちらは京都で作られた、折り紙のようなランプシェード。

使われている和紙加工紙には、京都の唐紙職人が、伝統柄を版木で掘り、

屏風や掛け軸、襖などを手がける京表具師が、その技術を駆使して

筋目を入れ、折りと張込みを行なっているそうです。

こちらも何か骨組みがあるわけではなく、和紙だけで立体化したもの。

デザインには、筑波大学で開発された立体に折るためのコンピュータープログラム

「ORI-REVO」という技術が使われているそうです。

和紙の持つ繊細な質感が生かされ、とても可憐で華やかな灯りを演出していました。

和紙は日本だけの唯一のもの。その風合いには独特の魅力があります。

和紙を使ったプロダクトには、これからも注目していきたいと思います。

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安達表具店 南荘堂

http://www.fusuma-kyoto.com

TOTTORI INSHU WASHI EXHIBITION ー因州和紙を知る、触れる、着るー

鳥取県東部の主に青谷町という地域で生産される因州和紙。

山と緑が豊かで、きれいな水の流れる自然の中で、

今も職人が手漉きの和紙を制作しています。

展示は3月5日で終わってしまいましたが、

作品の様子をレポートします。

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和紙×写真の展示。

かなり精巧に写真がプリントされていますが、

こちらも手漉きの因州和紙だそうです。

家族をテーマに撮影されていましたが、

和紙にプリントすることで、柔らかく温かな独特の質感が感じられます。

世界各地で撮影活動をするカメラマン、水本俊也さんの作品です。

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ん??写真の手前にあるものは??

こちら、着るもの?だそうです!

「鳥取の食を着る」というテーマで、

コスチュームアーティストの大野知英さんが手がけた作品です。

鳥取名産の食材を使って、和紙にドローイングしています。

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この丸い輪っかはなんと、鳥取の郷土食のひとつ、「とうふちくわ」だそうです。

あまり関東では聞き慣れないですが、鳥取では比較的ポピュラー。

スーパーでも売っていて、ヘルシーなちくわとして女性に人気です。

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こちらはネギ。

実は鳥取は良質なネギを多く生産しています
梨やらっきょうだけではないんですね。

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こんな風に、実際に着てみることもできました。

ちなみにこちらのモチーフはなんとレトルトカレー(の箱)。

鳥取県は、カレーの消費量日本一なんだとか?!

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アクセサリーもありました。

和紙作家、モロヨシヨウコさんのデザイン。

ちょっと透け感のある温かく繊細な和紙の質感が、エレガントな印象。

軽いので、耳に負担がありません。

今回展示されている3人の作家さんは全員鳥取出身だそうです。

それぞれ全く違った視点で、因州和紙の魅力を表現していました。

プロフィール

江澤 香織
インテリア、雑貨、料理、ライフスタイルなどを中心に、新聞・雑誌・広告・WEB等でフリーライター、コーディネーターとして活動。All Aboutにて雑貨ガイド担当。
http://allabout.co.jp/living/zakka/
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