mt masking tape

COLUMN
コラム 2015年9月

次回のmt ex展は川棚温泉(10月3日〜18日)。

山口県の下関からローカル線で40分ほどの、静かな田園風景の広がる町で、

県の中では一番古い、800年の歴史があると言われている温泉地です。

優しく穏やかな山と海に囲まれた、豊かな自然の風景が美しく、

毛利のお殿様、山頭火、音楽家のコルトーなどが、終の住処にしたい、と愛した町だそうです。

その会場、下関市川棚温泉交流センター川棚の杜」が素晴らしいというウワサで、

ついに現地まで行ってみました!

kawatananomori01.jpg

小さな温泉街に突如現れる、不思議なかたちの建築。

kawatananomori02.jpg

この建物、なんと隈研吾さんによる設計です。

川棚の穏やかな自然の風景に馴染むようにと造られた、オーガニックな建築。

山のような、または島のようなかたちを思わせる、有機的なフォルムです。

壁の色は微妙に3色に変えており、天候や時間によっても見え方が変化します。

生活に根ざした文化を象徴し、風土に馴染むよう、構造やテクスチャーに細やかな配慮があります。

kawatananomori03.jpg

中へ入ってみると、入ってすぐは「烏山民俗資料館」として、

主にこの地域の民俗・歴史などに関する資料や、

日本だけではなく、アジアを中心とした広い地域の庶民文化や工芸資料などが収蔵され、

テーマ毎の展示が行われています。

生活に根ざした古い道具などの展示が多いようで、

暮らしや工芸に興味のある人には面白い展示だと思います。

kawatananomori04.jpg

もう少し中へ進むとカフェがあり、ここで一休み。

mt ex展では、このカフェが大変身するとか??

テーマカラーはピンク、というヒントを頂きました。

というのも、mt ex展が開催されている時期、この地域ではコスモスが満開で、

近くのリフレッシュパーク豊浦では「コスモスまつり」が開かれているのだそうです。(10月3日・4日・10日~12日)

広大な「コスモス迷路」は一見の価値ありとか!!

kawatananomori05.jpg

さらに奥へ進むと、広いホールがありました。「コルトーホール」です。

先ほどチラリと紹介した音楽家のコルトーさんは、スイス・ジュネーヴの出身で、

1952年に日本公演を行い、全国各地を訪ねた時、川棚温泉の風景に魅了され、

「今まで世界中の風景を見てきたが、こんな美しい夢のような風景は見たことがない。

ここに永久に住んでも悔いはない」とおっしゃられたとか。

そのコルトーさんにちなんで建てられたこのホールでは、

音楽を中心としたイベントなどを企画し、町の活性化を目指しています。

コンサートや落語、マルシェなどが行われて毎回人気だそうですが、

mt ex展では、一体どんなことになるのやら??

色々と聞いてみたのですが、その辺はまだ秘密のようで、

川棚の杜スタッフにも詳細は明かされていないそうです。

onsen.jpg

建物の真ん前には温泉がありました。

展示の後は、温泉に入ってのんびりするのもいいですね。

森林浴(ミストサウナ)、うたせ湯、ヘルツバス、ジェットバス、リラックスバス、水風呂など、

6種のかけ流し式浴場が楽しめるそうです。時間があれば行きたかったー。

病弱だった毛利のお殿様がたちまち元気になったという湯治場。

切り傷、火傷、慢性皮膚病、慢性婦人病、痛風、動脈硬化、高血圧、神経痛、関節痛などなど、

様々な効能があるようです。

view01.jpg

川棚の杜を少し上った高台からは、町を一望でき、

遥か遠くに海と島々を見渡せる、清々しい風景が広がります。

山も海も険しさや荒々しさがなく、穏やかで優しい、まあるくのどかで落ち着いた風景。

驚きの絶景というより、ほっと心が休まるような、癒される景色です。

コルトーさんもこの風景を眺め、遠くの小さな島を見て、「あの島でひっそり死にたい」

とおっしゃったそうです。(その後、島の名前は「孤留島(コルトー)」と名付けられました)

確かにここに立つと、自然の優しさにふわりと包まれるような気持ちになります。

そしてこの景色から後ろを振り返ると、青龍湖が静かに水をたたえています。

view02.jpg

この風景のコントラストにも魅了されます。

訪ねた日は雨が上がったばかりで、霧が立ちこめており、ちょっと神秘的な光景でした。

かつてこの地には青龍が棲んでいた、という伝説があるそうですが、

本当に今も棲んでいそうな気配さえ感じます。

kusunoki.jpg

さらに車で10分くらいのところにある「クスの森」へ。

クスノキの巨木が、四方八方に悠々と枝を伸ばし、大らかに生い茂っています。

こんもりと緑が広がり、深呼吸したくなるような気持ち良さ。

ここへ来た子供達には「トトロの木」と呼ばれ、地元でも愛されているそうです。

本当に絵本に出てきそうな、耳を澄ましたら木が何か語りかけてくれそうな親しみがあります。

樹齢は1000年以上だそうで、どっしりとこの地に構え、

昔々からずっと見守ってきた、優しい神様のような木でした。

mt ex展を楽しんだ後は、このクスの杜へもぜひ立ち寄ってみて下さい。

広々とした芝生があり、時には地元野菜が売られていたり。

子供と一緒に訪ねても楽しいと思います。

kawarasoba.jpg

さて、川棚温泉に来たら、これを食べ忘れてはいけません。

この地の名物料理、「瓦そば」です。こちらは3人前。でかいっっ!!

本物の瓦を使っています。

しかも、新品のピカピカの瓦ではなく、古民家を解体したときなどに出てくる、

雨風に打たれて使い込まれた瓦がいいのだとか。

そのほうが丈夫で割れにくく、美味しく仕上がるそうです。

瓦が熱々なので、そばが少し焦げてパリパリになったところが特に美味しいです。

温かいタレに付けて頂きます。

山口出身の友人たちも口を揃えて「絶対食べて行け!」と薦められた逸品。

川棚温泉へは、ぜひお腹を空かせて訪ねて下さいね。

-----------------------------------------------

川棚温泉

http://www.kawatana.com

川棚の杜

http://www.kawatananomori.com

東京都現代美術館へ行ってきました。

どうしても見たかった展示

「おとなもこどもも考える ここはだれの場所?」へ。

4組の作家による、美術館の中にできた「ここではない場所」の入り口に立ち、

「ここは誰の場所?」と問いかけることによって、

自分たちが生きていくために考えるべきことが浮かび上がってくる、という試み。

特に印象深かったのは、入場してすぐの展示。

まず白い床に積まれているのは、いわゆるたくさんのゴミ!!

「地球はだれのもの?」というテーマで、

プラスチックの空き瓶や筒、フタ、欠片などが、

色別に分類され、どっさりこんもり山のように積み重ねられています。

あまりにもたくさんあるけれど、色別に分けるとなんだかきれいにも見えてくる・・・

そしてカーテンをめくった次の部屋は、

写真 4.jpg

わわわ!

このキラキラしたカラフルな灯りは全て、さっきのゴミたち。

衝撃的な風景です。

信じられないほど、幻想的で美しい。

写真 2.jpg

この制作者は、昨年惜しくもこの世を去った、デザイナーのヨーガンレールさん。

彼の住む、本来海のきれいな島である石垣島には、

ここ数年たくさんの漂流物が流れてくるようになり、

海がどんどん汚れていきました。

それを憂いた彼は、毎日浜辺を散歩しながら、それらの漂流物を拾い集め、

色別に分類してストックしていたそうです。

写真 3.jpg

このゴミからインスピレーションを得て、美しいものを生み出し、

地球環境とは何か?を改めて考えるきっかけを与えてくれています。

実際に、このカラフルな光の部屋に入り込んでしまうと、

いつまでもその場を離れたくないような、うっとりとファンタジーの世界に浸れるとともに、

現実との対比が一層くっきりと浮き彫りになって、

リアルに心に迫ってくるように思いました。

写真 1.jpg

ここからひとつ進んだ先の部屋には、

ヨーガンレールさんが毎日散歩した海と、散乱したゴミの風景写真が展示されています。

一旦これらの写真を見た後に、再度戻って幻想の部屋に入ってみると、

また違った感情が生まれるのではないかと思います。

10月12日まで開催していますので、

ぜひ多くの方に見て頂きたいなと思います。

東京都現代美術館

http://www.mot-art-museum.jp

以前にもご紹介したことがある、ファミリア銀座本店1Fのイベントスペース「CUBiE」。

毎回興味深い展示が多く、ワクワクさせられるのですが、またまた展示のお知らせが届いていました。

今回は、「familiar power of poster」というテーマで、

「子どもと感じる、"ポスター"の世界観」が表現されています。

世界中で愛されるフランスポスター界の巨匠「レイモン・サヴィニャック」の作品などが

多数展示されているとのこと!!

これは見逃せないです。

マグカップ&グラス.jpg

サヴィニャックの名前を知らなくても、これらの絵を見たらピンと来る方も多いかもしれません。

今回は、こちらのオリジナルマグカップやグラスが販売されるそうです。(マグカップ10種、グラス5種!)

【サヴィニャックとは】

1907 年パリ生まれ。独学でデザインを学び、アールデコの巨匠カッサンドルの指導のもとでポスターを描き 始める。カッサンドルから独立したのち、41 歳のときに手がけたモンサヴォン社の「牛乳石けん」のポスターが大成功 をおさめ、一躍フランスを代表するポスター作家へ。「僕は 41 歳のときにモンサヴォンの牛のおっぱいから生まれたんだ」というサヴィニャックの言葉通り、その後、たくさんの商業ポスターを手がけ人々を楽しませました。 日本でも、森永のチョコレートやサントリー、としまえんなどのポスターを手がけ、シンプルでユーモアにとんだ親しみやすい作風は今でも世界中で人気。2002 年 10 31 日に 94 歳で惜しまれつつこの世を去りました。

メイン画像.jpg

会 場:ファミリア銀座本店 1F イベントスペース「CUBiE」

東京都中央区銀座 8-8-8 銀座 888 ビル

開催期間:2015年9月2日(水)~10月5日(月) 11:00~19:30 【入場無料】

※9 月 16 日(水)1F は 17:00 閉店、10 月 5 日(月)1F は 18:00 閉店

愛らしくユーモアあふれる独特の作風で有名なフランスのポスター画家レイモン・サヴィニャックを はじめ、スイスのドナルド・ブルーン、ロシアのステンベルクやロトチェンコなどの有名ポスター画家の作品を数点 展示いたします。各界のクリエイターに影響を与えた 1920 年~1950 年代を中心としたオリジナルポスターが 店内を彩ります。

さらに、子供が参加できるワークショップもあります!

ワークショップ.jpg

『サヴィニャックアートのスタンプでオリジナルトートバッグをつくろう』(予約不要)

ヴィニャックのモチーフのパーツ毎のスタンプ (ゴム印)を用意し、トートバッグにスタンプを押し、 デザインします。

2015 年 9 2 日(水)~10 月 5 日(月) 11:00~19:30

※9 月 16 日(水)は 17:00 まで、 10 5 日(月)は 18:00 まで

参加費:バッグ大 ¥1,300+税 サイズ:A3  バッグ小 ¥1,000+税 サイズ:B5

※小学生未満のお子さまは保護者の方がご一緒に参加下さい。 汚れても良い服装でお越しください。

秋はこういったアート&デザインイベントがたくさんありますので、

また随時ご紹介したいと思います。

プロフィール

江澤 香織
インテリア、雑貨、料理、ライフスタイルなどを中心に、新聞・雑誌・広告・WEB等でフリーライター、コーディネーターとして活動。All Aboutにて雑貨ガイド担当。
http://allabout.co.jp/living/zakka/
過去の記事はこちら
ARCHIVE